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発展的な使い方
ダウンロードできるデータ
各都道府県のページの最後に「データのダウンロード」のセクションがあります。そこにあるリンクから以下の5つのデータをダウンロードできます。
- 延べ宿泊者数および重心の緯度経度
- 運輸局別延べ宿泊者数(年平均)
- 運輸局別延べ宿泊者数(月別)
- 前年からの変化率に対する寄与度
- 月別平均への変化率に対する寄与度
1.には都道府県別に延べ宿泊者数(居住地別、従業員数100人以上の施設)と重心の緯度経度の計算結果が収録されています。変数の名前と定義は以下の通りです。
- 年月: 宿泊旅行統計調査の調査年月
- 総計: 延べ宿泊者数(総数)←国内、国外、居住地不詳を含む合計
- 年: 調査年
- 月: 調査月
- ファイル名: 観光庁のホームページに掲載されているExcelファイルのファイル名
- シート名: 上記のExcelファイルで当該データが掲載されているシート名
- 施設所在地: 施設所在地の都道府県名
- 経度: 重心の経度
- 緯度: 重心の緯度
残りの変数は「宿泊旅行統計調査」の「参考第2表」にあるものと同じです。1.のデータを使うと、延べ宿泊者の総数や毎月の重心の緯度経度の値を知ることができます。また、次項に示すような発展的な分析が可能です。
2.から5.までのデータは、運輸局別の延べ宿泊者数や寄与度のグラフの元になる計算結果が収録されています。積み上げ棒グラフの元になる数値を知りたい場合、これらのデータを活用してください。
分析例
- 年平均や月別平均以外の集計値を計算する
- 当サイトに掲載している図表は重心の年平均や月別平均の値に基づいています。「1. 延べ宿泊者数および重心の緯度経度」には集計前の月次データを収録していますので、年平均や月別平均以外の集計値をここから計算することが可能です。例えば、前年同月比や2年前の同月比などを計算することができます。
- 運輸局別より細かな都道府県単位での分析を行う
- 延べ宿泊者数の内訳や寄与度は10の運輸局別の区分で集計しています。「1. 延べ宿泊者数および重心の緯度経度」には集計前の都道府県別のデータを収録していますので、運輸局別より細かな都道府県単位での分析が可能です。
- 例えば、ある都道府県の属している運輸局別の延べ宿泊者数がその都道府県の内訳で大きな割合を占める場合、都道府県内宿泊者の割合が高い可能性があります。都道府県内と都道府県外の区分による分析をしてみるとよいと思います。
- 他の観光関連のデータと合わせて理解する
- ある年の重心がそれ以外の時期の重心とずれる場合、当サイト内での情報では運輸局別の延べ宿泊者数やその寄与度で重心移動の要因を探ることができます。さらに原因を深く追求したい場合は、重心移動の特徴を他の観光関連のデータと照らし合わせるとよいと思います。都道府県の宿泊者数の重心を見ておくと、他の観光関連のデータを立体的に理解できると思います。
- 任意の2つの期間で重心の平均をとり、重心の緯度経度の期間別の平均値の差を調べる
- 高速道路や新幹線など巨大インフラにより人流がかわると、それに応じて宿泊客の流れも変わると予想されます。インフラ整備の前後の期間で重心の平均を求め、それらに有意な差があるかどうか検証すると、宿泊サービス産業への影響がどの程度であったか分析できると思います。この考え方に基づき、以下の拙稿では北陸新幹線金沢開業後の宿泊者数の変化を分析しました。交通インフラの効果を調べる際に、延べ宿泊客数の変化に加えて重心の移動の情報が加わることで、より豊かなエビデンスを得ることができます。
- 松岡孝恭「北陸新幹線金沢開業後の宿泊者数の変化-重心移動と構造変化の検証-」(福井県立大学経済経営研究 第47号 2024年3月 p.19-38)