宿泊者数の重心と人口重心

「都道府県の宿泊者数の重心」は人口重心の考え方を応用したものです。

人口重心は人口の地理的分布やその移動について知ることができる指標です。

「都道府県の宿泊者数の重心」も同様に、都道府県を訪れる宿泊者の地理的分布やその動向について、重要な情報を提供します。人口重心についての詳細は、以下の文献をご覧ください。

「都道府県の宿泊者数の重心」の計算式

人口重心の緯度と経度を求める算式を使い、ある地域の人口で重みをつける部分を宿泊客の居住地別(都道府県単位)の延べ数で置き換えます。

:居住地別(都道府県別)の延べ宿泊者数(添え字は都道府県を表す)

重心は複数の場所の地理的中心です。「都道府県の宿泊者数の重心」を求める際、47都道府県の代表的な位置として各都道府県庁の位置を使います。具体的には次のように、各都道府県庁の緯度と経度のデータを用意します。

:各都道府県庁の緯度

:各都道府県庁の経度

以上の準備の下で、重心の緯度 は次の式で求めます。

これは各都道府県庁の緯度を対応する居住地別の延べ宿泊者数によって重みをつけて平均したものです。

次に、重心の経度 は以下の式で計算します。

これも同様に各都道府県庁の経度を各居住地の延べ宿泊者数によって重みをつけた平均ととらえられます。余弦関数(cosine)が使われているのは、緯度の違いによる経線上の距離の補正を行っているためです。

宿泊者数から重心を求めた先行研究

宿泊者の出発地のデータを使って重心を求めた研究として以下の文献があります。

相馬、兵藤両氏の研究 (2022)では「宿泊旅行統計調査」の個票データ(2007年1月から2018年12月まで)を用いて、国内外の宿泊者数から重心位置の年別・国籍別変化を算出しています。

相馬・兵藤 (2022)と比較して、当サイトでの重心の分析には以下の特徴があります。

  1. 都道府県別に重心を計算している
  2. 国内の宿泊者を対象にしている
  3. 居住地側ではなく施設所在地側でみた重心
  4. 個票データではなくオープンデータを利用している